FM-TOWNSでのRS-MIDI

 FM-TOWNSでRS-MIDIというと一般に外部クロック方式のものを指す。これはTOWNS-OSのMIDI-BIOSが外部クロックで割り込みするようになっているためである。

 外部クロック方式は別名同期通信と呼ばれ、平たく言えば25ピンのRS-232CでTxC1(ST1、24番ピン)とTxC2(ST2、15番ピン)、RxC(RT、17番ピン)を用いて通信する方法である。より具体的に言えば、TxC2に基準クロックを入れるとその1/16のボーレートでTxDからデータが送信され、RxCに基準クロックを入れるとその1/16のボーレートでRxDからデータを受信する、という使い方をする。なお、TxC1は機器の内部クロックがそのまま出ている。MIDIの通信速度は31.25 kbpsなので、31,250×16=500,000 [Hz]のクロックをTxC2とRxCに入れることになる。当然のことながら、PC/AT互換機のEIA-574の9ピン端子では同期通信機能が削除されているので外部クロック通信はできない。

 T-OSのMIDI-BIOSに対応したRS-MIDI I/Fには、ミュージカルプランのRS232C MIDI OUTアダプタとシステムサコムのSX-M232、下に追記した自作I/Fがある。このうち、ミュージカルプランのアダプターはMIDI OUTのみとなっている。SX-M232でMIDI INが機能するかは調べていない(T-OSのMIDI-BIOS上はINとOUT各1が用意されている)。

 また、MIDI機器のTO-HOST端子に接続する場合は、RS-232CのTxC2(ST2、15番ピン)とRxC(RT、17番ピン)に外部クロックが入るものを選ぶことになる。ヤマハCCJ-PC1NFが半分該当しており、T-OSのMIDI BIOSMIDI-OUTを使用できる(少なくともTG300以降の音源、TG100でいけるかは調べてない)。なお、MU50のマニュアルには「FM-TOWNS側のシステムの問題で、RS-232C 端子に接続したMIDIインターフェースを通しての入力はできません。」とあり、MIDI-INを使用できない。これはシステムの問題というよりも、単純にCCJ-PC1NFではRxC(RT、17番ピン)が接続されていないためと思われる。

 もちろん、今となってはCCJ-PC1NFは入手困難なので、ケーブルを自作することになる。この手のデータを示しているサイトとして、HOTARUIKA☆氏のサイトを紹介しておく。CCJ-PC1NFはCCJ-PC1に15番ピンの配線を加えたものであり、これに加えてPC側の15と17番ピンをつなげば良いと思われる。

hp.vector.co.jp

 一方、TOWNS-OSのMIDI-BIOS経由でMIDIを扱わないのであれば、PC-9800用のケーブルで接続する方法がある。ただ、この方法だとシーケンサーが奏、プレーヤーがCool!しかなくなってしまう。

www.asahi-net.or.jp www.vector.co.jp

 追記。T-OSで使用できる外部クロック方式のRS-232C MIDI I/F(MIDI-OUTのみ)の自作記事を見つけたのでリンクしておく。これの50ページから52ページを参照のこと。

books.google.co.jp