Mars_NWE on Linux

 DOSやTOWNS-OSでネットワークファイルシステムを扱おうとすると、MS-LANMANとかNetWareということになるものの、プロトコルとサーバーが鬼門だったりする。

 まず、MS-LANMAN系は基本NetBEUI(NetBIOS over TCP/IPは推奨できない)。しかしサーバーがNTか9xになってしまう。こんなのがいるとSMB1を生かし続ける羽目になる。

 一方、NetWareだとNCP over IPXで、Linuxの上にMars_NWEでサーバーを立ち上げる方法がある(DR DOS 7付属のPersonal NetWareとか、CalderaのNetWare Server for Linuxを使う方法もある)。なお、以前はFreeBSDでもMars_NWEが動いたものの、FreeBSDでIPXをサポートする最後のバージョンは8で、かつ32ビット版のみ。とっくの昔にサポートが切れてる。

 ただ、LinuxでもIPXサポートは2018年6月に除かれており、カーネルバージョンとしては4.16が最後、LTS版では4.14までとなっている。LTSなので2024年1月までサポートされる予定であるものの、サポート切れの後はエミュレータの中で動かすとか、Raspberry Piのような専用機材で運用することが望ましい。

 Mars_NWEでNetWareサーバーを構築する場合は、Linuxカーネルが4.14のものを選ぶことになる。DebianだとStretch、9.9以降が該当する。Raspberry Pi OSだとRaspbian時代のStretchの最新版になる(つまりRaspberry Pi 3+以前の機種しか対応しない)。Debianだとそのまま行けるものの、Raspberry Pi用のように専用にカーネルを構築しているようなディストリビューションではIPXを有効にしてカーネルを再構築することになる。

 Mars_NWEはパッチを当てたものが公開されており、最新は0.99pl. 23となっている(http://ftp.disconnected-by-peer.at/ncpfs/mars_nwe-0.99.pl23.tar.bz2)。パッケージになっているのは古いものが多い。

 インストールは簡単で、解凍してcmake .で行けてしまう。設定方法はいろいろなサイトがあるので省略。